オーバートレーニング症候群とは?原因や対策を事例を交えて紹介

睡眠負債のまとめ

この記事ではスポーツにおけるオーバートレーニング症候群と合わせて仕事においても発生する症状を事例を交えて総合的に紹介しています。

オーバートレーニング症候群とは?

オーバートレーニング症候群とは?
運動による、肉体的・精神的疲労が十分に回復しないままの状態で継続して運動を行うことによって引き起こされる慢性非常状態により運動能力が低下し、疲労が簡単に回復しなくなってしまう症状のことです。

参考:厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト

オーバートレーニング症候群の原因

オーバートレーニング症候群の原因
肉体的疲労及び、精神的ストレスにより、視床下部もしくは脳下垂体から分泌されるホルモンバランスが崩れるためです。

オーバートレーニング症候群の診断方法

オーバートレーニング症候群の診断方法
以下のような心理テスト

  • 心理的プロフィールテスト(POMS)…変化する一時的な気分・感情を測定する心理テスト
  • 体協競技意欲検査(TSMI)…日本体育協会が作成した項目数146、尺度17の検査
  • 心理的競技能力診断検査(DIPCA3)…心理的競技能力診断検査 DIPCAを用いることで、スポーツ選手の一般的な心理傾向としての心理的競技能力を12の内容(忍耐力、 闘争心、自己実現意欲、勝利意欲、リラックス能力、集中力、自己コントロール能力、自信、決断力、予想力、判断力、協調性)に分けて診断する検査

と、次に紹介する主な症状が出ていないかなどを参考に判断をするとよいでしょう。

オーバートレーニング症候群の主な症状

オーバートレーニング症候群の主な症状

  • 食欲現象
  • 息切れ
  • 動機
  • 抑うつ状態
  • 不安
  • 不眠
  • 焦燥感
  • 慢性疲労
  • 立ちくらみ
  • 手足のしびれ

オーバートレーニング症候群の場合、これらの症状が出ている可能性があります。

競技別オーバートレーニング症候群の事例と体験談

競技別オーバートレーニング症候群の事例と体験談
ここでは、4つの競技についての事例を紹介していきます。自分が行っている競技以外でも事例を知ることで、どんなケースやどういった注意が必要なのかを参考にしてみると良いでしょう。

マラソンや陸上の場合

とにかく走ったり、ダッシュしたりをひたすら繰り返し肉体的にも精神的にも疲労がたまった状態を継続することで、オーバートレーニング症候群を発症し練習をしているのにタイムが悪くなるというケースはプロランナーだけでなく市民ランナーレベルでも発生しているようです。

野球の場合

オーバートレーニング症候群はプロ選手だけでなく、高校生などの学生が発症するケースもあり、高校野球などはオフシーズンに冬トレと言われる足腰強化を目的とした走り込みやダッシュ、体作りとして行う筋トレなどを過度に行い、オーバートレーニング症候群になる選手もいます。

サッカーの場合

2018年に当時J1にいた湘南ベルマーレで監督から選手へのパワハラが発覚。

それが原因で一部の選手が練習や試合に参加できない精神状態となってしまい、医師からオーバートレーニング症候群の診断が出されました。

水泳の場合

リオデジャネイロ五輪で金メダルを獲得した萩野公介選手はその後に開催された日本選手権を原因不明の不振で欠場しました。

その理由を山地名誉教授はリオデジャネイロ五輪での疲労が抜けきらない状態で練習を再開したことによる、オーバートレーニング症候群だと分析しました。

仕事とオーバートレーニング症候群の関係

オーバーワークな仕事
オーバートレーニング症候群はスポーツや運動だけに関わらず、仕事でも起こる可能性があります。

仕事の場合は、オーバートレーニングというよりは、オーバーワーク(overwork)と言った方が正しいかもしれません。

オーバートレーニングが許容範囲を超えたトレーニングだとすると、オーバーワークは読んで字のごとく許容範囲を超えた仕事のことです。

休みの日も仕事のことを常に考えてしまう、寝ても疲れが取れないなどメンタル的なマイナス要素が多くなってしまうのが仕事におけるオーバーワークの特徴でもあります。

オーバートレーニング症候群と同様に、仕事のパフォーマンスを下げてしまうため、業務量の調整や、人手の追加、場合によっては有給を使い休職するなど、身体を肉体的にも精神的にも休めることをおすすめします。

オーバートレーニング症候群のまとめ

オーバートレーニング症候群のまとめ
自分のスキルが足りていない、指導者・上司の言葉をすべて受け入れる、何事も100%で行うという真面目な人ほど、オーバートレーニング症候群に陥る可能性が高いです。

スポーツも仕事も結果的にみるとパフォーマンスを下げてしまうことに繋がるので、勇気を出して“休息”を意識的にとるようにしてみましょう。