朝倉海VS堀口恭司の試合を動作解析ツールで解説

朝倉海選手VS堀口選手

2019年8月18日(日)ドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)で開催された『RIZIN.18』のメインイベントで、RIZIN&ベラトール(アメリカ合衆国の総合格闘技団体)世界バンタム級王者である堀口恭司(アメリカン・トップ・チーム)選手をアウトサイダー出身の朝倉海(トライフォース赤坂)選手が1R1分08秒でKO勝利をおさめ、日本に留まらず世界の格闘技界にジャイアントキリングのインパクトを起こしました。

朝倉海選手の大番狂わせから日本の格闘技界が学ばなければならないこと

朝倉海選手の大番狂わせから日本の格闘技界が学ばなければならないこと

参考:Number
この試合の結末から格闘技界はある学びを得ないといけないと思い、僭越ながら当サイト管理人が得意とするスポーツ×ITに触れながら今回の試合について解析したいと思います。
※一部の解析(分析)映像を使って紹介します。

管理人の経歴として幼少期に空手で黒帯(二段まで取得)を貰い、業界でも5本の指に入る名門ボクシングジムでエディ・タウンゼント賞を受賞したトレーナーの指導を受けた元プロボクサーで、引退後に仕事の傍らキックボクシングと総合格闘技を数年行い、キックボクシングジムの運営も経験した経験があります。

さらに詳しくは以下をご覧ください。

前置きが長くなってしまいましたが、今回の試合から日本の格闘技界が学ばなければならないことは、格闘技界はもっとITを導入して現代科学的なアプローチをしていかないといけないという事です。

今や殆どのスポーツでビデオ判定や動作やデータ分析・解析を行い、どうやったら勝てるかという事を追求している中、格闘技界はこの概念が少ないもしくは皆無に近い世界でもあります。

動作解析イメージ
参考:dartfish

もともとのポテンシャルセンスで勝ち続けられる選手もいますが、それこそほんの一握りです。それにポテンシャルセンスがある海外の選手が日本より進んでいるITを導入して現代科学的なアプローチを始めたら太刀打ち出来なくなってしまうのではないでしょうか?

朝倉海選手の右カウンターはラッキーパンチだったのか?

結論、ラッキーパンチではありません。試合後の朝倉海選手のインタビューや兄の朝倉未来選手のコメントやSNSの書き込みにもあるように、入念に練りこまれた戦略的パンチでした。

「弟の試合をラッキーだと言ってる人はクロスカウンターが入るまでの攻防のレベルの高さがわかっていない。フェイントに対するフェイントだったり、踏み込みに対する早い反応。お互いの最小限の避け方。距離の取り合いとスピードの緩急。今回、勝ったのはマグレじゃない」

▼朝倉未来選手公式Twitter

基本的には、こうした対戦相手の分析は相手選手の過去の試合映像をトレーナーと一緒に何度も見ながら行い、癖や弱点を見つけていくのですが、私が行っている動作解析を行えばより詳細に分析していくことが出来るのです。

まず、この動画を見てください。これは堀口選手の試合前のアップ時の動作確認の動画です。


※堀口選手の右ストレートに注目してみてください。モーションなく構えたところからまっすぐにパンチを出してカウンター攻撃が出来ています。

そしてこれが、朝倉海選手から右ストレートを貰った時の動画です。

格闘技でパンチに特化したスポーツであるボクサーの方ならわかると思いますが、右ストレートを打つときに大振りしようとして右拳が開くと、相手選手はストレートが来るのがわかるので、右ストレートをコンパクトにまっすぐカウンターで合わせるのはボクシングでもセオリー通りの攻撃になります。

朝倉海選手右ストレート
※堀口選手が試合で打った右ストレートの打ち方ですが、図でみてわかるように本来は黄色いまるの位置からノーモーションで朝倉海選手へのオレンジ色のラインでパンチを出すのが練習で行っていた右ストレートの打ち方ですが、実際は赤いまるの位置で振りかぶって右ストレートを打とうとしてしまっている為(堀口選手の癖)そこに朝倉海選手がノーモーションで右ストレートを打ち込みクリーンヒットをさせました。

実は、堀口選手のこの大振りな右ストレートの打ち方の癖は那須川天心選手と戦った際も「危ないな~」と思いながら試合をみていました。

もし、こうした動作解析を行っていれば試合の結果は変わっていたかもしれません。


上記で説明した一連の流れを動画にしたバージョンです。

試合後の堀口選手のインタビューでもチャンピオンは試合ごとに戦い方を変えていかないといけないと話しているように、強くなれば強くなるほど、相手に研究されてしまうのは仕方がない事なので、癖や弱点をうまく使うこともこうした分析で確認していくことが出来ます。

再戦で堀口恭司選手が注意しないといけないこと

堀口選手は左フックに注意
この試合で右ストレートを合わせられているので、朝倉選手の右ストレートには再試合の時は注意をすると思いますが、朝倉選手が捨てパンチとして打った右ストレートに堀口選手も右ストレートを合わせてしまい、そこを朝倉選手が左フックを狙っていた場合、堀口選手は右ストレートを打つときに左ガードが下がり顎が上がる癖があるので注意する必要があります。

一連の動画です。

朝倉海VS堀口恭司の試合についてのまとめ

朝倉海VS堀口恭司の試合についてのまとめ
野球やサッカーをはじめとする、様々なスポーツにもITの技術が入ってきており、その技術をアスリート達も参考にしてさらにパフォーマンス上げています。
格闘技をしれていれば誰もが思う「もっと強くなりたい」という気持ちを、気持ちだけでなく実現させる為にも、自身のポテンシャルセンスだけではないアプローチをする必要があるのではないでしょうか?

格闘技の動画解析や分析についての問い合わせはこちら

 

追伸:2019/10/12 エディオンアリーナ大阪にて開催のRIZIN.19に出場する朝倉海選手の試合前インタビューでも

癖みたいなもものは見つけましたね。相手の弱い部分をどんどん攻めていく。最終的に1本かKOで圧倒的に勝ちたいと思います。

とコメントしています。
朝倉兄弟、堀口選手どちらも応援している選手なので格闘技界の繁栄とこれからのご活躍を祈念いたします。