乳児・小児救命講習に参加した心肺蘇生法のまとめ

乳児幼児の救命

当サイト管理人は2歳児と0歳児の子供がいるため、妻と消防局で開催されている乳児・小児救命講習に参加してきました。

参加を持ち掛けたのは私からですが、結果的に妻から「参加して良かった!小さい子供を持つ親は絶対参加した方がいいと思った」と嬉しい感想を貰いました。

この記事では、スケジュールの関係等で講習に参加できない方でも役立つ情報を紹介したいと思います。

救急救命で訴えられることはあるか?

裁判

自分の子供ならまだしも、いざ倒れている人に救急救命を行って失敗して訴えられたらどうしよう…と思い救急救命の処置を思いとどまってしまう人もいるかと思います。

私も同じ考えでしたので、救急救命士の方に質問してみたところ、

法律的には悪意または重大な過失がなければ救命手当の実施者が被災者等から責任を問われることはありません。

とのことでしたので、結論「訴えられる事はまずない」と考えて良いと思います。

それでも不安という方は、当時の自治省消防庁救急救助課が出した「交通事故現場における市民による応急手当促進方策委員会報告書」に記載の「救命手当実施の法律関係」を確認してみると良いです。

講習の内容と流れ

講習内容

乳児・小児についての応急手当の重要性や事故の予防についての講義、心肺蘇生法、AEDの使用方法、異物除去法、止血法を学びますが、地方自治体や赤十字などでの講習等、そもそものやり方等が全く同じわけではなさそうでした。

その為、講習参加前には過去のこういった救命講習の参加経験があるかを事前に確認されまました。

また、主に講習では心肺蘇生法(心臓マッサージ、人工呼吸)、AEDの部分が中心で構成されておりましたので、この記事に関しても心肺蘇生法(心臓マッサージ)、AEDを中心に説明したいと思います。

通常の救命講習に参加したことがある方も、乳児・小児に関しては心肺蘇生法(心臓マッサージ)やAEDの使い方が異なりますので、参考になると思います。

余談ですが、参加者は夫婦で参加している方が私たち以外にも数組と保育士さんかな?と思われる人が参加していました。それ以外にも一派の方含め20名程の参加人数でした。

心肺蘇生法について

心肺蘇生法とは、胸を強く圧迫する「胸骨(きょうこつ)圧迫」と、口から肺に息を吹き込む「人工呼吸」によって、止まってしまった心臓と呼吸の動きを助ける方法になります。

大きく6つの順番で進めていくので、それぞれ説明をしていきます。

※流れに関しては大人と同様ですが、やり方が乳児・小児では異なります。

周囲の安全確認

周囲の安全確認

道路などの場合、車が来て二次災害にあってしまうなど、救助をする際は必ず周囲の安全を確認し、自らの安全が確保できてから救助者に近づきます。

その際、片手で「2」の数字を大きく描くように確認することで左右上下の安全確認をすることが出来るのでおすすめと教えてもらいました。

反応(意識)の確認

反応(意識)の確認

引用:茅ヶ崎市HP心肺蘇生法の手順(乳児・小児)

周囲の安全が確保できた後、救済者の反応(意識)を確認します。「大丈夫?」と声を徐々に声を大きくしながら、乳児の場合は足の裏を叩いて刺激してみて反応(意識)があるか確認します。

大人や小児の場合は両手で肩を叩いて反応(意識)の確認をします。

119番と協力者への依頼

反応(意識)がなく、救助をすることになった場合のポイントとして、一人だけで対処するのではなく出来る限り多くの人の力を借りた方が良いとのことでした。

(実際に体験してみるとわかるのですが、心臓マッサージは結構体力が必要なので女性の方は息切れしている方もいました)

その際、具体的に誰に何をお願いするかを明確にすることで救命処置がスムーズにいきます。

イメージとして、

119番とAEDの指示
「そこのあなたは119番に電話してください」
「そこのあなたはAEDを持ってきてください」
のようなイメージです。

引用:春日・大野城・那珂川消防組合消防本部HP 救命処置の手順(心肺蘇生法とAEDの使用の手順)

呼吸の確認

呼吸の確認

引用:春日・大野城・那珂川消防組合消防本部HP 救命処置の手順(心肺蘇生法とAEDの使用の手順)

協力者への依頼が済んだ後は、胸や腹部の上り下がりを見て「普段通りの呼吸」をしているか判断します。

やり方としては、1秒~6秒までを数えながら胸や腹部の上り下がりを観察し、呼吸の動きがみられない場合は「普段通りの呼吸なし」と呼吸が止まっているという判断をします。

胸骨圧迫(心臓マッサージ)

呼吸が止まっている場合はいよいよ心臓マッサージとなります。
※大人とやり方が異なります。

圧迫の位置

圧迫の位置:両方乳頭を結ぶ線の少し足側を目安とした胸骨の下半分です。(※大人より下のイメージです)

引用:茅ヶ崎市HP心肺蘇生法の手順(乳児・小児)

 

押し方:中指と薬指の2本を使って(指の長さが同じくらいの為)1分間に100~120回のテンポで連続して絶え間なく圧迫します。圧迫の強さ(深さ)は、胸の厚さの約3分の1を目安として、十分に沈む程度に、強く、早く、絶え間なく圧迫します。

有効な胸骨圧迫(乳児)

引用:茅ヶ崎市HP心肺蘇生法の手順(乳児・小児)

ポイントは乳児だからといって、弱く圧迫したのでは効果が得られないことです。

人工呼吸

胸骨圧迫(心臓マッサージ)を30回連続して行った後は気道確保を実施して人工呼吸を2回行います。

その際の注意点は、片手で顎を持ち上げ、片手で額を押さえて気道確保するのですが、極端に頭を後屈させるとかえって空気の通りを塞ぐことになってしまうので注意しましょう。

人工呼吸

引用:茅ヶ崎市HP心肺蘇生法の手順(乳児・小児)

また、乳児の場合は、口と口で人工呼吸をするのが難しい場合があるため、乳児の口と鼻を同時に自分の口で覆う口対口鼻人工呼吸を行うようにします。

なお、講習会時には1人1枚、人工呼吸用のマウスシートが配布されましたが、使用後に回収されてしまい、もし本当に人工呼吸する機会が訪れた時のために自分でも購入し、自宅に常備の他、カバンや車の中、両親などにも配ってあげた所、大変喜ばれました。
(知り合いに小さい子供がいる友達やスポーツをしている知り合いが多いので)

上記の胸骨圧迫(心臓マッサージ)30回、人工呼吸2回を救急隊員と交代するまでは基本的に連続して行いますが、途中でAEDが来た場合はAEDを使用します。

AEDについて

AED

AEDとは心臓に電気ショックを行うための機械です。現在は公共機関や駅など、いろいろな場所にAEDが設置されているので、AEDがどこにあるか把握しておくとよいでしょう。

また、このAEDはいくつかの種類があって、成人用と小児用の2種類の電極パッドが入っているものや、成人用モードと小児用モードの切り替えがあるAEDもあります。

電極パッドを貼る位置は、電極パッドに表示されている絵に従いますが、小児用の電極パッドがなく、成人用のパッドを使う場合は、電極パッド同士が接触しないように注意が必要です。

子供用AED

引用:日本スリービー・サイエンティフィック株式会社

小児用の電極パッドは旨と背中に張り付けるタイプのものもあります。

電気ショックを行った後は、胸骨圧迫(心臓マッサージ)を再開します。

乳児の異物除去法について

背部叩打法胸部突き上げ法があります。

この記事では心肺蘇生法(心臓マッサージ)、AEDを中心に紹介しているので異物除去法に関してはそれぞれ動画を参考にしてみてください。

▼背部叩打法と胸部突き上げ法の動画

止血法について

こちらは、乳児に特化した止血法ではなかったのと、実技練習はなかったので別日に参加した一般の救命講習の記事をご参考下さい。

講習に参加して思ったこと

講習で習ったことやAEDの設置場所は講習を受けるというアナログだけではなく、デジタルでもあるのではないかと思い、講習後に調べたところ全然ありましたので紹介します。
(アプリは直ぐにダウンロードしました。)

▼乳児に対する心肺蘇生法の動画

▼心臓マッサージのテンポで参考にするアプリ

救命サポートアプリ
救命サポートアプリ

※リンク先はApp StoreですがGoogle layにもあります。

▼AEDの使い方動画

▼AEDの設置場所を調べるアプリ

日本全国AEDマップ
日本全国AEDマップ
※リンク先はApp StoreですがGoogle layにもあります。

乳児・小児救命講習のまとめ

乳児の救命まとめ

後半でデジタルの救命講習を紹介しましたが、理想は実技を受けてからデジタルで救命講習を復習が良いと思います。

練習で出来ないのに試合で出来ないのと同じで、ましてや練習ですら人形を使って行うわけなので、いきなり本番で更に救済者が自分の子供だと考えると100%慌てずに処置を行っていくのは厳しいと思います。

私も幼児の息子がいるのでわかりますが、イレギュラーがレギュラーみたいな感じなので、忙しくて講習に参加できない方は、この記事をスマホのメニュー画面において頂くだけでもいざという時違うと思いますので是非ご活用下さい。

なお、別日に普通救命講習(大人向け)にも参加してきました。

※記事の内容は「乳児・小児救命講習」に関するリサーチを参考に管理人の見解を加えて編集したものであり、成果や効果を断言するものではありません