背骨コンディショニングとは?
背骨コンディショニングとは、フィットネスディレクターであり一般社団法人 背骨コンディショニング協会の代表を務める日野秀彦氏が考案した運動プログラムです。
この記事では、背骨コンディショニングついて説明をし、その中から図を用いて4つほど、トレーニング方法を紹介していきます。
机に向かっての勉強だけでなく、長時間のデスクワークやスマートフォンの長時間利用を多くの人が行っている今の時代。
腰痛に悩んでいる、肩こりがひどい、猫背やストレートネックになりがちなどの悩みを抱えている人は多いのではないでしょうか。
悪化してしまうと痛みが原因で寝不足になるなど、非常に辛い思いをしている方もいらっしゃるかと思います。
この記事で紹介した内容が、腰痛で悩んでいる方々のお役にたてば幸いです。
仙骨(せんこつ)ってどこの場所にある骨?
出典:脊柱管狭窄症ひろば
仙骨とは、脊椎(いわゆる背骨)の下に位置している大きな三角形をした骨です。
骨盤の一部である仙骨は、腰椎の最下部とつながっていて、下は尾骨とつながっています。
脊髄を包むような役割かつ脊椎を支える役割を担っていて、そのために複雑な形状をしています。
脊椎(背骨)を支えているということから、とても重要な骨であることが想像できますね。
また、仙骨と寛骨(かんこつ)をつないでいる仙腸関節は、もともとの可動域が数mm程度であるといわれています。
しかし、身体にかかる負荷や筋力の低下によって仙腸関節が数cmもずれてしまい、仙骨がゆがんだまま癒着してしまいます。
背骨コンディショニングでは、癒着した仙腸関節をゆるめ、仙骨を正しい位置に直すことをおこなうことで、腰痛改善をはかるプログラムです。
そもそも腰痛とは
二足歩行をする人間の背骨は、重い頭や胴などを支える役割があります。
つまり立っているという状態でも常に負担がかかっているわけです。
これに加えて、重い物を持ち上げたり、無理な姿勢をとれば、腰により一層負荷がかかるのは想像できますね。
そしてダメージが蓄積された腰はいずれ限界がきてしまいます。
つまり腰痛とは、腰が危険を知らせるサインなのです。
主な腰痛の種類
腰痛には、突然激痛に襲われる突発的なものと、慢性的に痛みを感じるものがあります。
またそれらの原因も、仕事での疲労や老化、ストレスなど様々です。
ここでは、主な腰痛の種類とその原因について紹介していきます。
慢性筋肉性腰痛症
上半身の骨を支えている筋肉や靭帯に疲労が蓄積することによって発生する腰痛で、悪化するとうっ血が起こり、鈍痛を常に感じるようになってしまいます。
一般的に言われる筋肉痛の一種のようなものです。
腰椎椎間板ヘルニア
一般的にヘルニアと呼ばれ、名前を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。
腰に大きな力が加わることで、椎間板と呼ばれる、腰椎の椎体と椎体の間にある部分に亀裂が入り、それによって押し出された髄核が神経(神経根)を圧迫します。
この、神経が圧迫されることによって激痛を引き起こす病気が腰椎椎間板ヘルニアです。
ヘルニアは腰だけでなく、おしりや足など広い範囲にわたって痛みやしびれを引き起こし、場合によっては排尿にも影響があります。
日頃の生活における背骨への負担、老化、姿勢の悪さなどが原因で起こると考えられています。
突発性腰椎捻挫
いわゆるぎっくり腰と呼ばれるもので、急に大きな負担が腰にかかった際に発生する症状です。
名前にもあるように、主に椎間板などの捻挫が原因で、ほかには広背筋へのダメージでも起こる場合があります。
背骨コンディショニングによるトレーニング方法
先ほども述べましたが、背骨コンディショニングとは、癒着してしまった仙腸関節をゆるめ、歪んだ仙骨を正しい位置になおし、その状態にとどめられるような筋力トレーニングを行うという一連のプログラムになります。
この一連の流れを、4つの運動に対応させたものを紹介していきます。
出典:脊柱管狭窄症ひろば
うつぶせ足回し
まずは、うつぶせ足回しです。
この運動は、ゆがんだまま癒着してしまった仙腸関節をゆるめて、柔らかくすることが目的になります。
まずは、床にうつぶせ状態になり、ひじをつくなどして上体を軽くあげます。
そしてその状態で足裏が天井を向くようにして両膝を曲げ、ひざを軸にして足をぐるぐると、円をえがくような動きでまわします。
これを1回転約1秒、時計回りと反時計回りで30回ずつ行いましょう。
うまく円を描けない人は仙腸関節がかたまっている証拠です。回数はだんだんと増やしていき、目標30回としていけばよいでしょう。
坐骨神経ストレッチ
続いては坐骨神経ストレッチです。
この運動は、坐骨神経の柔軟性を回復させるための運動になっています。
この運動では、タオルを一枚使用します。
まずは、床にあおむけになり、両手でもったタオルを足裏にひっかけます。
タオルをひっかけないほうの足は伸ばして床につけたままにします。
その状態から、ゆっくりとタオルを引っ張って、ひざを伸ばしていき、そのまま足をあげていきます。
足が上がったら、そのまま2分キープします。
タオルをつかって、足を内側と外側にそれぞれ軽く引っ張るという動きを1分ずつ行ってください。
ひじ立て上体起こし
それでは、ゆがんでしまった仙骨の位置をただしていきましょう。
まずは床にうつぶせになり、ひじを立てて上体をかるくあげます。
この時、両肘がくっついているのが理想です。きつい場合は少し離しましょう。
その状態で、片足をまっすぐ伸ばし、もう一方の足は、足裏が伸ばしている方の足の膝付近にくるように、曲げておきます。
その姿勢ができたら、ひじを中心にして身体を左右に倒す動きを繰り返していきます。
両肘が床についたまま、肩が床につくように身体を横に倒してください。
この動きを30往復ずつ、曲げる足を変えてさらに30往復します。
バックキック
上記3つのトレーニングによって、身体の歪みは改善されていきます。
しかし、せっかく正しい位置に戻っても、それを支えられる筋力がなければまたいずれゆがんでしまいます。
そこで4つ目のトレーニングは、仙骨をしっかり支えたまま維持できるような筋力をつけることを目的としています。
このトレーニングでは、袋、中身が入ったペットボトル数本、手をつける椅子のようなものが必要になります。
中身がはいったペットボトルを袋に入れ、足首にくくりつけます。
この時、袋に入れるペットボトルの本数は自分の筋力にあった分だけいれてください。
このトレーニング方法で、連続して10回持ち上げられる程度の重さが理想です。
足首に袋をくくりつけたら、上体をかがめて腰を丸くし、両手を椅子につきます。
この状態で重しのつけた足を後ろに蹴り上げるようにして上げてください。
腰は丸めたまま、2秒かけて上げ、3秒キープし、また2秒かけて下すという動きをします。
これを10回ずつ、両足で行うのがバックキックというトレーニングです。
1セット終わったらストレッチも行います。
椅子に座り、一方の足首をもう一方の膝の上に乗せ、その状態で上体を前にかがめ、1分キープしてください。
この動きを、乗せる足首をかえてもう1分行えばストレッチは完了です。
背骨コンディショニングの動画
背骨コンディショニング開発者の日野氏が公開している首・背中の痛み(星状神経節)を仙骨枕で緩和させる動画があるので、ご紹介します。
ちなみに、メジャーリーグでも大活躍しているダルビッシュ有選手も背骨コンディショニングで2年間悩まされた体調不良が改善したという動画を公開しているので合わせてご紹介しておきます。
様々なトレーニングや身体について独自の理論を持っているダルビッシュ有選手の話しは背骨コンディショニングを行う上で参考になると思います。
背骨コンディショニングの学びかた
背骨コンディショニングを学びたいかた、資格を取得したいかたもいらっしゃるのではないでしょうか?
実は、背骨コンディショニング協会では背骨コンディショニング指導者(インストラクター)を養成する講座を開催しております。
詳細のリンク先を掲載しておくのでご参考ください。
⇒背骨コンディショニング指導者養成講座
インストラクターの資格を取るほどじゃあないけど…という方は日野氏が著者の本もあるのでその書籍を読んで学んでみてもよいかもしれません。
背骨コンディショニングのまとめ
背骨コンディショニングとは、仙骨のゆがみを矯正するための運動プログラムです。
腰痛や坐骨神経痛の改善のためのトレーニング方法になりますので、腰痛で悩んでいる方は無理のない範囲で、実践してみてはいかがでしょうか。
※記事の内容は「背骨コンディショニング」に関するリサーチを参考にライターの見解を加えて編集したものであり、成果や効果を断言するものではありません。