皆さんには誰かの言葉を聞いて、仕事のやる気や夢を叶える為の活力をもらった。という経験はありませんか?
それとは反対に、心ない言葉を聞いたせいで何もかもが嫌になったり、凄く傷ついたという経験もあるのではないでしょうか?
自分が傷つくかもしれないという可能性の影響で、自分が本当にやりたいことを我慢してしまうこともあります。
そのやりたいことを、自分が傷付かずに行うことが出来る方法があるとしたら、是非知りたいと思いませんか?
しかもその方法が、他人を不快にさせることもない方法だとしたら、是非実践してみたいですよね。
そんなテクニックをおすすめしているのが、ホストの信長さんの考案した“メンタルトーク”というテクニックなのですが、一体どのようなテクニックなのでしょうか。
ホスト信長さんとは
東京新宿の歌舞伎町に“ロマンス”という有名なホストクラブがあります。
人や店舗の入れ替わりが激しい歌舞伎町という地域で、20年という長い期間ホストクラブを営業し続けるという人気店なのですが、そこの代表を務めるのが信長さんです。
早稲田大学教育学部に在学している頃、塾の講師と掛け持ちして始めたアルバイトがホストだったのですが、最初は失敗の連続でした。
顔は王道のイケメンでもない、身長が高いわけでもない、何よりも接客業をする上で致命的だった、“引っ込み思案で人付き合いが苦手”ということで思い通りに成績が出せなかったのです。
しかし、信長さんはビジネス書を片手に女性の心理を学び、日々の失敗から反省点を分析し、次の接客に活かすことを繰り返し、努力の結果4ヶ月で指名No.1になるという、向上心の塊のような人なのです。
現在はラジオパーソナリティや、雑誌の取材もこなすビジネス書作家となりましたが、ホストの仕事も続けており人気は止まないようです。
その信長さんが、人と話す時に自分にも相手にも良い結果が出せる方法があるというのですが、それが“メンタルトーク”です。
メンタルトークとは
信長さんが定義しているメンタルトークとは、“自分が傷付かず、相手に不快な思いをさせず自分の欲望を叶える方法”のことを言います。
相手に不快な思いをさせない方法は想像がつく人もいるかもしれませんが、自分が傷付かない方法はどうでしょうか。
コミュニケーションを一切しない、心を閉ざす、周囲と関係を断つ方法なら可能かもしれませんが、おすすめできる方法ではありませんよね。
自分の心を強く持つなど、考え方や感じ方を変えることができたら、傷付かなくても良い結果を出せるかもしれません。
そのキーとなるのが“メタ認知”です。
メタ認知とは
“自分が認知していることを客観的に把握し、制御すること、認知していることを認知すること”のことを言うのですが、言い回しが難しいですよね。
簡単に言うと“何かしている自分を上から(外から)第三者として観察する”と言えるのですが、信長さんは本(1分で相手の「心」を開かせる メンタルトーク)の中で、RPGゲームに例えて説明しています。
自分が選んだプレイヤーキャラがモンスターと戦う時、ダメージを受けることもあるが、現実の自分がダメージを受けるわけではありません。
プレイヤーの戦い方が悪いので、現実のあなたはどうしたらダメージを受けなくて済むか必死に考えますよね?
この現実のあなたが悪いわけではない、この考え方が現実世界のメタ認知と似ているのだとしています。
お客さんに「話が面白くない」と嫌がられたとしても、あなた自身が否定されたのではなく、その役割を演じていたあなたの話し方が悪かっただけと捉える、これがメタ認知です。
そのように考えると、心が折れることなく反省点を次に活かすことができませんか?
さらには、自分への批判や助言を前向きに捉えることが出来るようになり、自分のレベルアップが凄いスピードで行われるのを実感出来るでしょう。
信長さんは人生はゲームではないが、ゲームのように考えることで心が軽くなり、自分を守るのは心理学的に正しいことであるとも言っています。
メタ認知を実践することで、自分が傷付かない方法を考案したのですね。
メンタルトークの方法
自分が傷付かない方法に関してはご説明しましたが、相手を不快にさせない方法に関しても、信長さんは細かい分析をし、心理学を学びながら、どうすれば相手に喜んでもらえるかを考えています。
次にトークをする上でのテクニックに関してご紹介します。
相手をしっかり観察する
ホストクラブに来店するお客さんには色々な人がいらっしゃるそうです。
- 普段の嫌な気持ちを癒して欲しい人
- 楽しい気分になりたくて面白い話をしたい人
- 自分だけを見て話してくれる自尊心を満足させたい人
など様々です。
そんなお客さんが何を求めているか、しっかり見極めることが重要です。
こちらがいくら素晴らしいサービスが出来るとしても、お客さんが求める物と違ってしまえば、それは何の価値も無い物になります。
求められる需要に適切な供給をすることを心掛けるのです。
相手との距離感をしっかり使い分ける
出会って最初の頃はお互いに知らないことが多いので、相手との心の距離を遠く取ってしまいがちで、それは会話する時の体の距離にも影響されます。
そうなると、相手は“こんな自分を受け入れてくれないのでは”と不安な気持ちになり、心を開いて話をしてくれなくなるのです。
ですので、最初の一回は“相手の懐にスマートに入る”ことが重要です。
強引に距離を詰めるだけでは、相手に“なれなれしい”と思われるかもしれませんので、相手の話を聞きながら、ゆっくり確実に懐に入るのです。
そして、2回目は懐に入りすぎず少し距離を取り、仲の良い関係を保ったままより詳しい話をゆっくり聞きます。
こうして、相手とタイミングに合わせた距離感を使い分けることで相手に好印象を持ってもらい、警戒心をなくすことが出来るのです。
人はどうせ死ぬと割り切る
お客さんの要望によっては、自分がやりたくないことをやらなければならない時もあるでしょう。
慣れないことだったり、今まで経験のないこと、時には馬鹿なようなこともしなければならないことだってあるかもしれません。
しかし、そんな時に自分のプライドを守るために“そんなことはできない”と言ってしまったら、お客さんに良い印象を持ってもらえないことは、明白ですよね。
そんな時には、“人はどうせ最後には死んでしまうのだから”と割り切ることも大事です。
法律を犯すようなことはもちろん違いますが、お客さんに喜んでもらうために、自分がある程度恥ずかしいことをして、その場を盛り上げる時はそういった割り切りをすると心が軽くなります。
自分が心から楽しいと思ってしているなら問題ありませんが、そうでない時はこの行動で楽しんでくれる、救われる人がいるんだと思えると、たいして恥ずかしいとも感じないですよね。
恥ずかしかろうが、惨めだろうが、最後には死んでしまうなら何でもやってみようという心意気が大事なのです。
メンタルトークのメリットとデメリット
自分が傷付かず、相手にも喜んでもらうというアクションを心掛けることで、たくさんの努力はしなければいけないものの、自分に努力の結果がしっかりと帰ってきます。
相手の喜びや楽しみなどの要求に合わせて、こちらが精一杯のおもてなしをするわけですから、相手からも感謝の気持ちをもらうことが出来るのです。
その中には、自分の欲しいものをくれるなどと言った“欲望を叶えてくれる”ものもあるかもしれませんよ。
他にも自己分析を繰り返すので、思考のバージョンアップが自分で出来るといったメリットもあります。
しかし、少なからずデメリットも存在し、“人の目が気になるようになる”“常に脳を使用して疲労する”ということがあげられます。
自分の行動を第三者として分析するので、その時の自分が他人からどう見られているか、どう見られるのが良いかを深く考えてしまい、普通なら何ともない事柄も異常に気になったりしてしまいます。
そんな分析を日常的に実施しているので、脳疲労も人一倍酷くなるのですね。
慣れていない人は急にメンタルトークを始めるのではなく、十分にトレーニングをしてから実践するのがいいですよ。
トレーニングは特に自分の行いを振り返ることが出来る、“日記”がおすすめで無理なく継続して出来る良いトレーニングになります。
メンタルトークのまとめ
ホストの信長さんがおすすめする“メンタルトーク”についてお話しました。
- 人と会話する時には自分が傷付かないようにする
- メタ認知を実践して常にレベルアップする
- メンタルトークで相手の要求を叶える
- メリットもあるがデメリットもあるので焦らずに力をつける
ホストというたくさんの人と話す機会があった信長さんの頭の中には、分析と立証のデータがたくさん入っていて、それを根拠に考案されたのが“メンタルトーク”なのですから、実践できれば良い結果を出すことが出来るのではないでしょうか。
有名な哲学者のソクラテスも“無知の知”と言う言葉を残しています。
「彼らは何も知らないのに知っていると思い込んでいるが、私は何も知らないということを知っている。」
この言葉を聞いてわかるように、自分を知るということはとても重要で、何事もそこから始まるのではないかとも思います。
サービス業の人だけでなく普段の同僚との会話でも、メンタルトークをすることで人気者になれるかもしれませんので、皆さんも実践してみてはいかがでしょうか?