必須アミノ酸を食事で摂り健やか肌の作り方【スキンケア専門家 認定看護師が解説】

肌に必要な必須アミノ酸

タンパク質の最終代謝産物であるアミノ酸は健やかな肌を作るために必要な栄養素。中でも必須アミノ酸は体のさまざまな機能に大きくかかわっています。

しかし、必要な栄養素である必須アミノ酸は体内では作れません

私は、看護師としてスキンケアの専門家である資格(認定看護師と言います)を有し、患者さんや地域でスキンケアの指導や教育を行っています。

本記事は、健やかな肌を維持するために必要な必須アミノ酸について話していきます。

必須アミノ酸とは

必須アミノ酸とは
体内に存在しているアミノ酸は、全部で20種類あります。

そのうち、9種類の「必須アミノ酸」は体内で合成されないため、食品から摂ることが必要です。

バランスよく摂り入れないと体の働きに支障をきたします。

ですので、不足しないようにバランスよくとり入れることが大切です。

必須アミノ酸の体への影響

必須アミノ酸の体への影響
アミノ酸は、髪や肌を美しくすこやかにするだけでなく、体脂肪や中性脂肪を落とす、慢性疲労を軽減させる、女性ホルモンや甲状腺の機能を整えるなど、体のさまざまな機能に大きく影響します。

不足させないためにも、良質なタンパク質を摂取していくことが大切です。

9種類の必須アミノ酸が多い食べ物

9種類の必須アミノ酸が多い食べ物
健やかな毎日に欠かせない必須アミノ酸。

これらを上手に摂取できるように、アミノ酸を豊富に含んでいる食品を紹介します。

必須アミノ酸は主に肉、魚、卵、豆類に多く含まれています。

それぞれのアミノ酸がどのような食品に、どのくらい含まれているのか記載していきます。

バリン

摂取推奨量:26mg

筋肉をつくるために必要な分岐鎖アミノ酸です。

バリンを多く含む食べ物
マグロ赤身(刺身)7切れで1,300mg、プロセスチーズ1切れで320mg

ロイシン

摂取推奨量:39mg

筋肉をつくるために必要な分岐鎖アミノ酸です。

ロイシンを多く含む食べ物
カツオ(刺身)7切れで1,800mg、鶏むね肉100g(生・皮なし)で1,900mg

イソロイシン

摂取推奨量:20mg

筋肉をつくるために必要な分岐鎖アミノ酸(BCAA)です。

イソロイシンを多く含む食べ物
豚ロース100g(生)で1,000mg、卵1個(生)で336mg

リジン

摂取推奨量:30mg

穀物類には少ないアミノ酸で、脂肪燃焼に関わるカルニチンの材料になります。

リジンを多く含む食べ物
真アジ100g(刺身)で1,900mg、凍り豆腐1枚(乾)で510mg

メチオニン

摂取推奨量:15mg

タンパク質合成にあたって最初に必要となるアミノ酸です。

メチオニンを多く含む食べ物
鶏むね肉100g(生・皮なし)で640mg、無調整豆乳1パック(小)で104mg

フェニルアラニン

摂取推奨量:25mg

ドーパミンやノルアドレナリンなど神経伝達物質の材料になります。

フェニルアラニンを多く含む食べ物
牛レバー100g(生)で1,100mg、マグロ赤身(刺身)7切れで970mg

トリプトファン

摂取推奨量:4mg

セロトニンなど神経伝達物質の材料やナイアシンになります。

トリプトファンを多く含む食べ物
牛・豚レバー100g(生)で290mg、卵1個(生)で99mg

ヒスチジン

摂取推奨量:10mg

ヘモグロビンに多く含まれ、白血球の生成に関係しています。

ヒスチジンを多く含む食べ物
カツオ(刺身)7切れで2,500mg、マイワシ100g(刺身)で1,000mg

スレオニン

摂取推奨量:15mg

成長を促し、脂肪肝を抑えます。

スレオニンを多く含む食べ物
マグロ赤身(刺身)7切れで1,100mg、豚ロース100g(生)で1,100mg
(WHOが定めた必須アミノ酸の種類別摂取推奨量)

※WHOの規定による。体重1kgあたり、1日あたりの数値

不足しない食生活が大事

必須アミノ酸を不足しない食生活が大事
アミノ酸不足は、身体組織の成長や修復が進まず、精神的に不安定な状態になる場合もありますが、だからといってあまり心配し過ぎるのも考えものです。

自分自身の体格、食事、運動量などを考えながら、適量を摂取することを心がけましょう。