肌に必要な必須栄養素【スキンケア専門家 認定看護師が解説】

肌がきれいな女性2

スキンケアを行う上で、栄養を考えることはとても大切。健康的な肌を作るためには、肌に直接行うこと以外に、肌の「もと」となるものをどう摂取していくかも考える必要があります。

私は、看護師としてスキンケアの専門家である資格(認定看護師と言います)を有し、患者さんや地域でスキンケアの指導や教育を行っています。

本記事では、スキンケアについて悩まれている方に、健康的な肌にするために必要な栄養素について話していきます。

健康的な肌の状態とは

肌がきれいな女性

一般に言う、肌にハリがある状態とは、触ったときに「ピンとした弾力」がある肌のことを指します。

しかしながら、それは表面的な部分です。

ハリに関係するのは、皮膚の内側です。

真皮層が「ハリ」に影響する

ハリや弾力を作るのは、皮膚の内側にある真皮層になります。

皮膚は表面から順番に「表皮」「真皮」「皮下組織」の3層構造になっています。

化粧品でうるおいを与えたり、ケアをする部分は表皮というところで、皮膚の代謝であるターンオーバーに関係するのもこの部分です。

真皮層は表皮の奥にあります。

約1.8mmほどの真皮層が持つ働きは、ハリや弾力を保つことで肌を支える土台となっています。

そして、ハリや弾力を生み出しているのは、「コラーゲン」や「エラスチン」、「ヒアルロン酸」といった成分によって保たれています。

コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸の役割

コラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチンは、保湿成分として活用されます。

化粧品で使われることもあり、よく耳にする成分です。

これらの成分は水分を蓄える性質を持っています。

真皮層ではこれらの成分によって肌を支える構造を作っています。

つまり、3つによる構造によって、ハリと弾力のある肌をつくっているのです。

コラーゲン

繊維状の構造を作る性質を持ったタンパク質の一種。

水分を逃がさない働きがあります。

皮膚の弾力やハリを保つことに関係しますが、紫外線や加齢で減少します。

エラスチン

網目状になっているコラーゲン線維のつなぎ目で骨組みの接合部を固定するように存在しています。

弾力線維とも呼ばれます。

加齢とともに減少します。

ヒアルロン酸

優れた保湿機能を持つゼリー状の組織です。

主に水分を保つ働きがあります。

肌のハリが低下する原因

肌のハリや弾力を担っているのが真皮層ですが、この真皮層の状態が変化することで、肌の支えがなくなってしまうとハリや弾力が失われてしまいます。

それを引き起こす原因は主に以下になります。

  • 加齢
  • 乾燥や紫外線によるダメージ
  • 酸化や糖化

上記の原因につながる要因はさらに多くなります。

肌の健康を取り戻すための栄養成分

肌の健康を取り戻すための栄養成分
食事は私たちが活動をするうえで欠かすことのできない要素であると共に、健康的な肌を作ることにも密接に関係します。

基本的に、一日に必要な栄養素を摂取することでクリアできますが、肌にとって必要な栄養素について紹介していきます。

タンパク質

タンパク質は体内でアミノ酸に分解され、コラーゲンなどをつくり出す原料にもなります。

タンパク質が不足すると肌の新陳代謝にも影響が出るため、肌のトラブルが起こりやすく、たるみやくすみの原因になります。

高タンパクで低カロリーな食材である、鶏のささみ、赤身の肉、ラム肉、あじ、いわし、納豆、海苔、高野豆腐などを毎日バランスよく取り入れましょう。

必要量は自分の体重×1gです。毎日摂っていくのは難しい方は低脂肪のプロテインを取り入れることをお勧めします。

イソフラボン

イソフラボンは大豆製品に多く含まれる成分です。

女性ホルモンのエストロゲンとよく似ている構造を持つため、エストロゲン不足のときに代わりに働くといわれています。

エストロゲンはコラーゲンやヒアルロン酸などの肌のハリに必要な成分を作るために欠かせません。

イソフラボンの1日に必要な量は40~50mgで、納豆なら1パック、豆腐なら半丁です。

ビタミンA

ビタミンAは全身の粘膜を健康に保つ働きをするため、肌の健康維持には大切な栄養素です。

また、ビタミンAは、身体の酸化を防ぐ作用を持っているため、不足することで肌トラブルを引き起こしやすくなると考えられます。

コラーゲンを生み出す線維芽細胞の酸化を防ぐための栄養素として、働きが期待できます。推奨量は男性:750μg、女性:600μgです。

ビタミンAを食事から取り入れるには、動物性食品のレチノール、緑黄色野菜のβカロテンの2通りがあります。

レバー、うなぎ、モロヘイヤ、にんじんに多く含まれます。

ビタミンC

ビタミンCも抗酸化ビタミンの一種で、活性酸素の働きを抑える働きがあります。

また、肌にハリや弾力をもたらすコラーゲンや、コラーゲンを生み出す線維芽細胞を増やすために必要な成分です。

推定必要量は男女ともに85mgです。

ビタミンCは赤ピーマン、ブロッコリー、柿、オレンジなどに多く含まれます。

ビタミンE

ビタミンEも抗酸化ビタミンの一種で、活性酸素の働きを抑える働きがあります。

肌の酸化を防ぎ、血行促進効果があるので、肌を健やかな状態に必要です。

目安となる量は男性:9mg、女性:8mgです。

多く含まれるのは鮭、うなぎ、ナッツ類です。

ビタミンCと一緒に摂取することで相乗効果があるといわれています。

健康的な肌の状態のまとめ

肌を気にする女性2
この記事を読んで頂き、真皮層が肌の「ハリ」に影響するということがわかったと思います。

そして、肌の保湿成分(コラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチン)を理解して肌の健康を取り戻すための栄養素を意識して摂取するようにしてみましょう!