子供が下痢、すぐ受診したほうがよい?【認定看護師 解説】

乳児幼児の救命

子供が下痢になったらすぐに病院へ行ったほうがいいのでしょうか?

体力があり、自覚症状を説明できる大人と違い悩むところだと思います。

本記事は、子供が下痢の際に受診のタイミングについて話していきます。

子供の下痢、すぐ受診する?

子供の下痢を診察する医師
次のような下痢の場合、しばらく様子を見て受診が必要かどうかを決めましょう。

食後すぐに下痢をしたが、その後はまったく問題ない。

たくさん食べすぎた、冷たいものを食べた、早く食べ過ぎた、硬いものを食べた、など、食事の様子・内容について考えてみてください。

これらが原因であれば、下痢は一時的なものの可能性が高いです。

少し緑っぽい下痢便、茶色っぽい下痢便が出た。

腸内環境によって緑や茶色の便は出ます。しばらく様子を見てもよいでしょう。

下痢をするまでお腹を痛がったが、便が出たら治まった。

腸が収縮して便を押し出していたたための痛みです。その後治まれば問題ありません。

受診をお勧めする場合の症状

聴診器を持つ医者

ここでは受診をお勧めする場合の症状について6つの状況を想定して解説していきます。

下痢が数時間から1日続く

大人であれば2~3日様子を見ることもあるかもしれません。

ですが、子供の場合は体力がなく、体に蓄えている脂肪分なども少ないので、丸1日様子を見るのは長すぎる場合もあります。

「元気がない」を超えてぐったりしている。

下痢が続くと元気がなくなるのは当然のことです。

ところが、ある程度休んでもなかなか回復しなかったり、目がとろんとするほど消耗している場合にはできるだけ早く受診する必要があります。

涙が出ない、尿の回数が非常に少ない。

脱水症状を起こしている可能性があります。

少しずつでも水分を摂取できないようであれば病院へ急いでください。

点滴治療が必要になる場合があります。

下痢以外の症状として、発熱や嘔吐がある。

嘔吐下痢症でも軽ければ問題ありませんが、子供は大人よりも消耗が激しいので注意してあげてください。

特別な薬が処方されるわけではありませんが、整腸剤などで下痢の症状が和らぐ可能性があります。

普段から嘔吐下痢症が流行しているかどうか、情報を得ておくようにしましょう。

真っ黒な下痢便が出る、血便が続く

真っ黒な便は胃や腸による出血によるもので注意が必要です。

赤い血便は肛門に近い部分の腸内の炎症や下痢によって粘膜が傷付いたことによるものが多いので、すぐに受診しなければいけないというわけではありませんが、何度も続くようであればやはり医師に相談しましょう。

慢性的に下痢が続いている

家族と変わらない食事をしているのに下痢が続く場合、過敏性腸症候群のことも考えなければなりません。

子供に何かストレスとなることが起きていないか考えてみましょう。

無理をせず学校を休ませてあげたり、親子ふたりきりで話す時間を取るなどしてみてください。

下痢のまま学校に通い続けると、授業中や通学時間にもトイレに行きたくなったりとさらに心配やストレスが溜まります。

早めに受診し、整腸剤などで少しでも症状が軽くなるようにしてあげてください。

普段から、お子さんがどんなときに下痢をしやすいのか、お腹が強いほうなのか弱いほうなのかということも認識するようにしましょう。

個人差が大きいので、お子さんにとって普段と大きく違うことであれば、「受診するほどでもないかもしれない」と思ってもやはり受診したほうがよいのではないかと思います。

下痢を改善するのは腸内善玉菌

下痢を改善するのは腸内善玉菌を説明する医師
敏感なおなかを丈夫にし、腸内環境を正常に保つのは腸内の善玉菌です。

私たちの腸内には約500兆~1000兆個、細菌の種類も同数位の腸内細菌がいます。

中でも善玉菌の数が多ければ多い程腸内環境は良好です。

腸内環境が良好になると下痢の改善は促進されます。

下痢をし易いお子様は、しっかりと腸内環境を改善してあげましょう。

腸内環境が良くなると免疫力も上がり、健康な体を作り上げます。

腸内の善玉菌を増やすのに必要なサプリメントがありますので上手に利用しましょう。

家族が下痢の時の注意点

家族が下痢の場合
家族の誰かが下痢になった時に、子どもであれば母親は非常に慌てるものです。

何か悪い物を食べさせたかしら?など心配します。

便には、たくさんの細菌が含まれています。

目に見えない病原体は、直接、間接に手指などに付いて二次感染の原因となります。

この時下痢便の始末をする時には充分に注意して家族などの二次感染を防がなくてはなりません。

原因のウイルスによっては始末の度合いが違ってきます。

ロタ、ノロは強力な感染力を持っています。

患者の便1g中には10~100億個ものウイルスが排出されますが、ロタは10個以下のウイルスで感染が起こるといわれています。

子どもがそそうした時、まず始末したその手は必ず石鹸で良く洗い流すこと。

そそうした下着には細菌がたくさんついていますので、トイレで充分洗い流した後きれいに洗って、確実に消毒する場合には、塩素系漂白剤に30分漬けましょう。

そのあと洗濯をしてよくすすぎ日光に当てて紫外線で殺菌しましょう。あるいはそのままビニール袋に入れて処分(廃棄は、各自治体の廃棄方法にしたがってください。)しましょう。

排便後の手洗い

病原体は、重ねたトイレットペーパーにしみこんで、手に付きます。

おしりを拭ふいた後、できるだけ他のところに触れないようにして、すぐに手を洗います。

手洗いはトイレの中でできれば理想的です。

また、ポンプ式石けんや水道の蛇口じゃぐち、トイレのドアノブ、水洗レバーはペーパータオルを使うなどして、手洗い前に直接触らないようにします。

消毒は、消毒用アルコールや逆性石けん、次亜塩素酸ナトリウムなどを含ませた布で拭きましょう。

排便後の世話

乳幼児などでおむつを使用したり、下痢がひどく自分では後始末ができない子どもの場合は、周囲の大人が、排便後のおしりを拭いてきれいにします。

下痢のひどい時は汚れてもよい敷物の上などでおむつ交換をしましょう、汚染したらそのまま捨てます。

おむつ

紙おむつは、便を落とした後、しっかり封をして処理しましょう。

(廃棄は、各自治体の廃棄方法にしたがってください。)

トイレ掃除

トイレ掃除のときは、専用の手袋を用いて、汚物に直接ふれないようにします。

手袋を外したあとも手洗いをしましょう。

手袋は使い捨ての手袋を使います。

消毒液でドアノブや水道の蛇口、トイレットペーパー入れなど丁寧に掃除しましょう。

病院にかかった後は、腸内環境を改善するサプリメントを上手に利用して、続く下痢を早く改善しましょう。

子供が下痢で受診するか迷った時のまとめ

乳児幼児の救命

子供が下痢になると、親としては不安になるもの。

また、子供も下痢が長引くのはつらいです。

上記のポイントを参考に、受診のタイミングを検討してみて下さい。