この記事（自叙伝）は90年代にボクシングで活躍した元日本J・ウェルター(現：スーパーフェザー)級1位の小笠原一揆（おがさわらいっき）選手より依頼を頂き、便せん50枚以上の手紙をもとに編集した記事です。
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あと一年
あと一年もすれば、頭の具合もきっと少しは良くなるのではないかとも思う。
大好きな真中先輩へあれっ!そういえば?真中さんは、何と言う外国人選手と試 合をしたのですか?教えてください。
結構、僕も、苦しみました。
丈夫な体に産んでくれた母にも、感謝します。
僕のベストファイトは、西沢誠さんとの試合だったと思います。
ニュートラルコーナーに 追い詰められたときに、(もうだめだ、寝て楽になろう、もうボクシングをやめよう)と思 ったのです。
その時にもう一人の冷静な自分が居て(僕はやめてもいい、しかし、長谷川 さんはどうする?僕がボクシングを止めたら何を生きがいにする?)って、それで、我慢していたら、なんと相手がダウン、僕、思わずロープに登って万歳!(相手が立ってきた ら試合は終わりだな!)と思って振り向いたら、なんとレフリーストップで試合終了。
僕の勝ちでした。 KOです。信じられない本当のことでした。
三迫会長も、泣いて喜んでくれたそうですね。
長谷川さんと三迫ジムのために、勝ったのです。長谷川さんあり がとう。
長谷川さんのお陰でいい試合が出来ました。
その祝勝会には、現会長の三迫貴志 さんもおられましたね。
ランキング入りを決めた試合は全日本新人王の、長沢誠浩さんにも6ラウンド KOでした。
ありがとうございました。元世界チャンピオンの輪島功一さんと、 その師、三迫仁志会長が両コーナーに別れての試合でした。
タイトルは取れませんでしたが、後悔はありません。感謝だけです。ごめんなさい!
おまけのおまけ親友
しつこくてすみませんが、おまけのおまけ親友って死語かな?
こんな、くそったれの嫌われ者の僕にも、3人もの親友が居ます。
何と言っても、一人目はうーじー(内野勇太郎君)です。
小学校5年生の時の僕の転校先の小学校である長州小学校にいました。
中学の時も仲良くしてくれました(なんと、同じプラス バンド部だったのです。僕が部長のことを殴ったのも見ていました)
その後、大学を出て 社会人になっても東京で僕のことを応援してくれていました。
NHK のドキュメンタリーで お芝居に出ている僕の映像も彼によるものです。
最後の試合までずっと見に来てくれてい ました。本当に僕の親友です。
今は故郷の彼の実家の会社、内野海産株式会社の跡取りと して、 頑張っています。
骨の有るやつです。彼には絶対にかないません。心から好きです。
僕は彼の悪友でもありますが尊敬しています。
奥さんの千草さんありがとう。翔太いつか会おうな!
二人目は上野豪(つよし)言です、高校時代と同じ柔道部でした。
でっかくて、しかも2段でとても強くて、当時の僕ではとてもがたちませんでした。
彼は何故かその後、大学 からラガーマンで、今はプロレスラーみたいなやつです。
自分のジムをもっています。
今戦ったらとっちがつよいでしょうか?つい最近までそれ(親友であること)に気付かなか ったのです。
妻に言われて初めて気がつきました。(あんたの親友だよと言われて) 僕の北海道でのコロとの結婚式にもわざわざ飛んできてくれました。上野いつもありがとう。
三人目は僕のその結婚式でライブをやってくれた中本守君です。
守(まもる)ちゃんとは 東京の最期の頃に鳶識を一緒にやりました。
鳶識の須田さん(元暴走族リーダー) のところでのきつい仕事でしたが、須田さん、あの時は沢山のお金をいただいて、ありがとうございました。おかげさまで、沢山の借金を返せました。助かりました。
守ちゃんは、 僕が東京を出てのすぐの淋しい時に、北海道まで遊びにきてくれました。
あの時はありがとう。親友とは、他人がそう認めて、初めてそう呼べるもではないではないでしょうか?
もちろん自分でも、そう思っていますが、あとの、 もう一人は、絶対に忘れられない人です。思人です。親友というよりは大恩人です。
東京都葛飾区在住の入江尚久さんです。入江さんは「帝釈」たいしゃくという(やはり) 暴走族の元リーダーでもあり、僕の大恩人ですよ。
東京では、一番お世話になりました。ありがとうございました。
奥さんで超、超、超美人の由美さんには、いつもおいしい晩御飯をご馳走になりましたね。
あのことを覚えていますか? 小笠原「一揆」いっき、と いう名前は入江さんに付けてもらいましたね。
こんな憎まれものの僕が何故、皆さんに可愛がってもらえるのでしょうか?何故かは全く分かりません。
顔がブスだからでしょうか?これこそ本当の奇跡ではないでしょうか?キセキ、奇跡です。
素敵な詩
そう言えば、ものすごく素敵な詩が在りました。
僕の大好きな、詩人の詩です、若い女の子内田育絵ちゃんの詩です。いくよちゃんです。
(育余ちゃんとは、僕が最後の試合をする直前からの付き合いです文通みたいなものでした)
「キセキ、わたしの知らない 遠い 遠い町 君が生まれて今めぐり逢えた 」 なんて、なんて、素敵な詩なのでしょうか!
育余ちゃんと僕の舎弟の啓太とは、奇跡的に付き合っています。
もう長いこと続いています。
それも、なんと!僕からの電話での紹介でした。
コレも奇跡です。 育余ちゃんには、今回の僕の脳の病気では沢山の迷惑をかけました。ごめんなさい。 許してね!
申し遅れました。川下さん、たくさんありがとうございました。
うーじーもたくさんありがとう。
それにしても、大病したあとの僕はなんで、あんなに避けていたボクシングをまるで自分を売り込むように古い試合のDVD を配ったりしているのだろうか?
きっと、自分に自信がなくなったのではないかなと思う。
さよなら、弱い自分よ、今日からはもっと強くなりたい。
そういえば何故に僕は今でも走っているのだろうか?
あのタレントさんと試合 をまだやりたいのだろうか?
今日はなぜか20キロも、走ってきました(ゆっくりでしたが) 最後の試合は大流血の試合でしたが、その試合はやっぱり自分でも特に印象に残ってい ます。
小山さんお元気ですか?江戸川区の会社に手紙を出しましたが戻ってきました。
西沢誠さんも連絡がとれません。長沢さん、小川豪史さん元気ですか?
・・・続く。
