オーガニックコスメと聞くと、何だか肌に良さそうというイメージがありませんか。
改めて聞かれると、オーガニックコスメってどんなコスメなんだろう?という疑問がわいてきます。
そもそもオーガニックコスメとはどのようなコスメで、他のコスメとはどう違うのでしょうか。
本記事は、オーガニックコスメについて話していきます。
オーガニックであるということ
オーガニック化粧品の法的な定義及び世界的に標準化された文書等における明確な定義は存在しません。
フランス、ドイツ、オーストラリアなどは、化粧品に限らず食品などにおいてもオーガニックの基準を国家レベルで監視しています。
この基準はとても厳しく、こういった国々ではスキンケア用品がオーガニックとして呼ばれるには相当の企業努力が必要となってきます。
国際的な基準に沿って添加物を全く使用していないなどの徹底的な措置を自主的に採っている企業もあります。
添加物を使用しているが、植物由来の成分を使っているという理由だけでオーガニック化粧品として販売しているところなどもあります。
化粧品会社により異なりますが、以下のような宣伝文句があります。
- パラベンフリー
- フェノキシエタノールフリー
- 安息香酸Naフリー
- アルコールフリー
- シリコンフリー
- ミネラルオイル(鉱物油)フリー
- プロピレン グリコールフリー
- オイルフリー
- 動物実験はしない
など、自然との調和と化学的なものは使わないというものが多いです。
有機素材で作られる
化粧品の素材に有機素材が使われているものをオーガニックコスメと呼んでいます。
化粧品の成分に化学合成成分などを使わずに作られているものです。
オーガニックとは
無添加化粧品や自然派化粧品というと「オーガニック」というイメージを持ちやすいのですが、オーガニックとはこれらのものは少し違います。
オーガニックとは「有機」ということ。
3年以上化学合成農薬や化学肥料を使っていない畑で化学肥料や農薬を使わずに植物を育てるという栽培方法を守っていること、それを原料として製品を加工する、ということです。
- 無添加
- 自然派
という言葉は人工的なものを使っていません、もしくは植物由来の天然成分を配合しています、という意味合いが強いです。
その点で、原料に化学物質が使われていないというオーガニック化粧品とは区別されます。
オーガニックコスメには認定基準がなかった
日本ではオーガニックに認定は農林水産省が管理しています。
食品については、オーガニックを謳う場合、JAS法により検査を受けて認証されると有機JASマークをつけることが義務づけられます。
食品のJASマークは皆さん見たことがあると思います。
JASマークがついていればオーガニック食品であるという判断が出来るんですね。
一方で、コスメはどうでしょうか。
オーガニックコスメといっていてもJASマークはついていません。
JASマークがつけられるのは
- 有機農産物
- 有機農産物加工食品
のみで、水産物や化粧品は認定対象になっていないのです。
しかも日本にはまだオーガニックコスメの認定機関がないため、明確な認定基準がないというのが現状です。
ですからオーガニックコスメといっても100%有機栽培された植物を原料としているものから、多少ケミカルな原料が含まれたものまで色々あります。
オーガニックコスメはオーガニック100%とは限らない
オーガニックコスメは100%オーガニックの原料だけで作られているものもあります。
一方で、必要最低限の化学物質が含まれているものもあります。
しかしながら、「化学物質=すべて悪」ではありません。
化学物質の中には、化粧水のように水分の多い商品の菌の増殖を抑えてながら、肌につけても問題ないものもあります。
大切なのは、何が入っているかを見極めることです。
また、オーガニックコスメに入っている可能性は低いですが、石油由来の物質などは肌に刺激を与える可能性があります。
気になる方は避けた方がよいと思います。
世界のオーガニック認証機関
海外には独自の厳しい基準を持って認定している機関があります。
世界各地のオーガニック認証団体について話していきます。
オーガニック認証機関のマークがついているものは、一定の審査を受けたものということになりますから、オーガニックコスメを選ぶ際に参考になると思います。
フランスの「ECOCERT(エコサート)」
1991年に農学者の団体によって設立された機関です。
フランスのコスメ以外のものにもつけられていることが多く、ドイツ、イタリア、スペイン、ベルギー、ポルトガルに法人があります。
世界最大規模の有機認定機関です。
オーストラリアの「ACO 」
2002年に設立されたオーストラリアの認証機関で化学合成成分を一切使っていない製品にのみ認証を与えています。
アメリカの「USDA」
USDAとは農務省のこと。
農務省の認定基準を守り認定を受けた機関だけがオーガニック認定を行うことができるという制度になっています。
ただし、アメリカではまだオーガニックコスメについては明確な基準が確立されていないため、化粧品に対しても食品と同様の基準が採用されることも多いようです。
ドイツの「BDIH」
2000年に設立された団体です。ドイツは自然派療法の先進国。
ナチュラル志向が強く代替医療なども盛んな国です。
その中でナチュラルコスメの品質を保つために、化粧品メーカーが集まってガイドラインを作成しました。
ドイツの「demeter(デメター)」
2001年に発足した団体です。
オーストリアのシュタイナー博士の提唱した有機農法である「バイオダイナミック農法」を推奨していて、どこの認定制度よりも厳しいオーガニック基準であるとされています。
ドイツの「eco control」
2008年、BDIHよりも厳しいガイドラインで認定しようということで設立された団体です。
化粧品については「効果が皮膚科学的に確証されている」という独自の基準があって、フェアトレードなどについても広く基準が設けられています。
イタリアの「SoCert」
フランスのエコサートをモデルに作られた団体で、化粧品以外にも食品や洗剤なども認定しています。
製品については100%植物原料であること、という厳格な認定基準があります。
イギリスの「Soil Association」
1946年、英国土壌協会として設立され、今ではイギリスのオーガニック製品の8割が認定を受けているという歴史のある団体です。
オーガニック基準が事細かく規定されていて、審査が厳しいことでも有名な団体です。
EUの「NaTrue(ネイトゥルー)」
他の機関のほとんどが営利団体であるのに疑問を持ったメーカーが中心になり設立されたヨーロッパの団体です。
認定基準を一般公開し、認証制度をビジネスにしないというコンセプトが特徴で、オーガニック成分の含有率を星の数で表すなどわかりやすい認定をしています。
オーガニックコスメは何が良いのか
オーガニックコスメはその認定基準が団体によって違うため、化学成分がまったく入っていないというわけではありません。
では、他のコスメと比べオーガニックコスメの何が肌に良いのでしょうか。
肌本来の機能を取り戻す
オーガニックコスメには、ケミカルコスメのように
- 強い洗浄力
- 余分な油分
などが入っていません。
オーガニック成分100%でなくても、合成界面活性剤などを使っていないので、ケミカルコスメと比べれば肌に刺激が少ないです。
肌に刺激をかけ過ぎないようにしながら、覆っていた余計なものが落とし、肌本来の機能を取り戻すことに寄与します。
使い続ければ肌が健康になり、あまり手をかけなくてもしっとりするようになります。
肌に不要な成分が少ない
コスメを買うときは成分表示をしっかり見ましょう。
たとえば香料ですが、香料については明確な表示基準がなく、なんでもひとくくりに「香料」と表示できてしまいます。
ですから、どんな香料が入っているのか、それが肌にどんな影響があるのかがわかりません。
オーガニックコスメなら天然のオーガニック精油などを香料として使うので、何から採られたものかわかります。
オーガニックコスメは植物原料を中心に作られていて、植物のもつ特性を生かして酸化防止などを行っています。
極力肌に不要な化学成分が排除されています。その分、肌への負担が少ない化粧品であるといえます。
オーガニックコスメは選び方が大事
明確な基準がないというオーガニックコスメですが、ではどのようにして自分の肌にあった質の良いものを選べば良いのでしょうか。
天然=肌に良いという誤解
オーガニック成分配合という表示を見ると、いかにも肌に良さそうと思ってしまいます。
でもそれがどのくらい含まれているのか、その他の成分には何が使われているのかはよくわかりません。
成分表示をしっかり確認する
ことが大切です。
また、天然由来の成分が多ければそれが肌に良いのかというとそれも違います。
安全性は高いですが、それがすべての人の肌に合うのかというとそうではないです。
天然由来だからこそ、敏感肌には刺激になることもありますし、アレルギーの原因になることもあるからです。
アレルギーは?原料をよく見て選ぶこと
植物原料100%だからこそ、植物の有効成分がダイレクトに肌に伝わります。ときにはぴりぴりと刺激を感じることも。
その原料にアレルギーがないか、肌にあう原料かどうかをよく見極めて選ぶことが大切です。
まがい物に気をつけること
製品そのものはケミカルコスメといってもいいものなのに、ほんの少しオーガニック原料を配合しただけで「オーガニックコスメ」と表示している化粧品もあります。
質の高いオーガニックコスメを見極めるには、そのメーカーのホームページをしっかりチェックする必要があります。
- 原料はどこから調達しているのか
- 製造過程はどうなっているのか
- どのくらいの割合でオーガニック成分を配合しているのか
- 化学成分を使っているとしたら何を使っているのか
- どの団体のオーガニック認証を受けているのか
などをチェックしてみて下さい。
メイク用品の使い方に気をつける
基礎化粧品だけをオーガニックコスメにこだわって、メイク用品はこれまで通りのケミカルで刺激の強いものを使い、濃いメイクをしたりしないでしょうか。
オーガニックコスメの洗浄力はそれほど強くありません。
そのため、メイクが肌に残ってしまい、色素沈着などを起こす可能性があります。
基礎化粧品をオーガニックにするなら、メイクも薄くするか、落ちやすいものを選んだ方がいいですね。
価格も選ぶ際の一つに
オーガニックコスメは価格がやや高いのも特徴といえます。
有機農法というのは恐ろしく手間のかかる栽培方法で、人件費も当然かかります。
しかも、製法にも当然こだわって人の目でチェックをしながら徹底した安全管理が行われているので、そこでも相当な手間がかかっているんですね。
ですから当然価格も高めになります。これは仕方のないことですね。
でもそれが一つの目安でもあります。
あまりに安いオーガニックコスメは本物かどうか原材料をしっかりチェックした方が良いでしょう。
オーガニックコスメを使用する際の注意点
オーガニック化粧品を使用する際の注意点を話していきます。
これらは、すべての化粧品に共通していることですが、ナチュラルな成分でつくられたオーガニックコスメは、特に下の項目を意識するようにしましょう。
- 使用期限を守る
- 容器のフタはしっかり閉める
- 直射日光や高温多湿を避けて保管する
それぞれの注意点について解説していきます。
使用期限を守る
コスメオーガニック化粧品を使用する際には、商品に記載された開封後の使用期限の目安を守るようにしましょう。
オーガニック化粧品の中には、防腐剤を使用していないものもあるため、一般的な化粧品よりも使用期限が短いものが多いようです。
開封後の使用期限は守るように心がけましょう。
容器のフタはしっかり閉める
コスメオーガニック化粧品を使用した後は、容器のフタを必ずしっかりと閉めるようにしましょう。
フタを開けたままにしてしまうと、知らぬうちに雑菌等が入ってしまう可能性があります。
また、容器を清潔に保つことも大切です。
とくにポンプやスプレータイプは、容器の先端に中身を付けたままにしておくと、ポンプが詰まり、使いにくくなることがあります。
直射日光や高温多湿を避けて保管する
コスメオーガニック化粧品を保管する場所は、直射日光や高温多湿を避けた冷暗所を選びましょう。
なぜなら、気温の急激な変化を伴うような環境に保管すると、オーガニック化粧品の品質が変化してしまう可能性があるからです。
中には、冷蔵庫での保管をすすめているメーカーもあるため、自分の使用する化粧品をよく確認してから保管しましょう。
オーガニックコスメまとめ
オーガニック化粧品は、植物の魅力を生かした、アイテムがたくさんあります。
ぜひ、自分にぴったりのオーガニック化粧品を使って、すこやかな肌を目指してみて下さい。
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