突然ですが、みなさんは「成功したら幸せになる」と思っていませんか?
実は、幸せになるためのプロセスはまったくの逆で、「幸せだから成功する」だったのです。
心理学におけるこの考え方が、幸福優位性理論と呼ばれるものになります。
幸福優位性理論とは、「幸福優位7つの法則」というショーン・エイカー著の本にて言及されました。
この記事では、幸福優位性理論を「幸福優位7つの法則」をもとに紹介していきたいと思います。
ショーン・エイカー氏とポジティブ心理学について
ショーン・エイカー氏は、コンサルティング会社グッドタンクの代表を務め、ハーバード大学にてポジティブ心理学の講師を勤めています。
そして、エイカー氏は世界的な名門大学であるハーバード大学で人気1位の講師でもあります。
エイカー氏は、ポジティブ心理学による成功と幸福の関係についての研究を行っています。
ポジティブ心理学とは、通常の人生をより充実したものにすることを目的とした心理学の一分野です。
1998年当時、アメリカ心理学会会長を務めていたマーティン・セリグマン博士の発言がポジティブ心理学誕生のきっかけになったといわれています。
幸福優位7つの法則
「いい学校に行って、いい会社にいけば幸せになれる」
「お金を稼げば幸せになれる」
このような考えをもって育ってきた人は多いのではないでしょうか。
しかし、ポジティブ心理学では、この考え方は真逆であるとされました。
「成功したら幸せになる」のではなく、「幸せだから成功する」であったのです。
これを“幸福優位性(ハピネスアドバンテージ)”といいます。
このように、心理状態やそれに伴う行動によって効果が得られるとされる法則が7つあると、ショーン・エイカー氏が著書において述べています。
それでは、順を追って紹介していきます。
法則①幸福優位性(ハピネスアドバンテージ)
幸福優位性(ハピネスアドバンテージ)とは、
“人間の脳は、通常時やネガティブな時よりもポジティブな時のほうがよく働くようにできている”
ということを意味します。
つまり、ポジティブな心理状態を維持することができれば、仕事の効率や生産性、発想力や学業成績などなど、多くの面でよい結果が得られるということになります。
法則②心のレバレッジ化
起きた出来事や現在の状況などを、どのように捉えるかによって幸せや成功が得られるかどうかが変わるということです。
つまり、一見マイナスに思えるような状況でも、良いイメージを持って行動すれはプラスへと活かせることができるわけです。
レバレッジという言葉を聞いたことがありますか?
レバレッジとは“てこ”のことです。
支点の位置を調整することで持ち上げられる重さが変わるてこの原理のように、心の持ちようを調整することで得られる結果が大きく変わるということですね。
法則③テトリス効果
みなさんテトリスは知っていますよね。
テトリスにハマってしまうと身の回りにある四角いものがすべてテトリスのブロックにみえてしまうことがあるそうです。
このように、何度も繰り返し行ったことを脳が記憶して、その思考パターンを自然と行うようになる現象を、テトリス効果と呼びます。
何かに取り組む際に、「どうせまたうまくいかない」「自分には無理だ」といつも思っていると、脳がそのように記憶してしまうわけです。
これではうまくいくこともうまくいかなくなってします。
では、毎晩寝る前に今日あった嬉しかったことを3つ、書き下してから寝るようにしてみてください。
これをやっていくうちに、普段の生活の中でも小さな幸せを見つけるような思考回路が自然とできるわけです。
この方法はエイカー氏も著書の中でも例としてあげています。
法則④再起力
人間の脳は、大きな失敗や挫折に陥った際に、それに対処するように働きます。
しかし、そこから回復して立ち直る人もいれば、一方で精神的にまいってしまい、トラウマになってしまう人もいます。
再起力とは、辛い状況から立ち直るための力のことです。
ここで最も大事なことは、失敗や挫折をどのように捉えるか、ということです。
法則②の心のレバレッジ化ですね。
人間は、失敗から学ぶときに大きく成長することができるそうです。
「失敗した、もう2度とやりたくない」「こんな挫折をまた経験するくらいならもうしないほうがマシだ」と思うのではなく、「この失敗を再発しないようにするにはどうしたらいいのだろう」と考えることや、「大きな失敗をしてしまったけども、勉強になる貴重な経験をすることができた」と捉えることが成長につながるということですね。
法則⑤ゾロ・サークル
人間は、コントロールができないことに対しては、冷静な判断ができなくなってしまいます。
最初から実現不可能な目標ばかり追っていては、手段も意欲もなくしてしまうでしょう。
そうなってしまうと、自信をなくしてしまい、ネガティブな思考になってしまいがちです。
ゾロ・サークルとは、目標達成可能な小さなゴールを設定し、達成する感触、コントロールの感覚を磨いていくことで、少しずつ目標を大きなゴールへと設定していくことができるということです。
自分の能力やレベルと、設定目標のレベルがかけ離れてしまってはうまくいきません。
自分は今、どの程度コントロールできると認識しているか、ということが大事なのです。
コントロールの感覚が磨かれている人は、自分の成果が認識でき、適切な目標設定ができるわけです。
法則⑥20秒ルール
「今日からダイエットしよう」「毎日30分英語の勉強をしよう」「スマホを触る時間を減らそう」
こう思い立ってから何か月・何年と続いている人は少ないのではないのでしょうか。
人間の意志力には、限界がどうしてもあります。
意志の力を維持することは難しく、どうしても普段の習慣や面倒くさくない方へと戻ってしまうのです。
ここで20秒ルールというのが大事になってくるわけです。
習慣にしたいことの準備は20秒秒かからずにできるような環境を作る。
やめたい習慣は、やってしまうまで20秒秒以上かかるような環境を作る。
面倒くささが、もっとも大きな障壁となることを認識しましょう。
法則⑦ソーシャル(社会)への投資
孤独というものは、健康に悪影響を与えてしまうほどの力をもっています。
難しい状況に直面したとき、そこから切り抜けるためとき、仲間の存在はとても大きなものになります。
一人でも幸せを感じることはできますが、人間だれしも一人では生きていけないのです。
実際に、最も成功している人たちほど家族、友人、同僚などの周囲の人間との関係を大事にしているということがわかっています。
すでに紹介した幸福優位性や心のレバレッジ化は、周りの人にも良い影響を与えていきます。
共有する仲間の存在によって、幸福優位性理論の効果は格段に高まっていくのです。
つまり、人とのコミュニケーションやネットワークに投資することで、物事の成功確率は飛躍的に伸びるということ、これがソーシャル(社会)への投資です。
ショーン・エイカー氏のプレゼンテーション動画
最後に、TEDxBloomingtonにてショーン・エイカー氏が行ったプレゼンテーションを紹介いたします。
「The happy secret to better work(幸せと成功の意外な関係)」という題になっています。
日本語字幕が付けられますので英語がわからないという方でも問題ありません。
ぜひ観てみてください。
幸福優位性理論のまとめ
この記事では、ショーン・エイカー氏が提唱した幸福優位性理論を、「幸福優位7つの法則」という本をもとに紹介いたしました。
幸福優位性理論によって、毎日似たような日々の生活でも、心の持ちようによって大きく変化を感じることができるかもしれません。
この記事が、ほんの少しでもみなさんの幸せにつながれば幸いです。
書籍と、書籍を要約した動画を紹介しておきますので、こちらも参考にしてみてください。
▼本の要約動画
※記事の内容は「幸福優位性理論」に関するリサーチを参考にライターの見解を加えて編集したものであり、成果や効果を断言するものではありません。