乳児・小児救命講習に続き、普通救命講習にも参加してきました。
理由としては乳児・小児救命講習は講習名の通り、乳児・小児を対象としており、一般の成人と方法が異なる対応がいくつかあったためです。
結果的にはどちらも参加してよかったというのが実感です。
この記事では、スケジュールの関係等で講習に参加できない方でも役立つ情報を紹介したいと思います。
乳児・小児救命講習の記事はこちら
※一部内容が重複している箇所がありますので優先して知りたい記事をご確認ください。
救急救命で訴えられることはあるか?
実際に倒れている人に遭遇した場合、救急救命を行ったけれども失敗して訴えられたらどうしよう…と思い救急救命の処置を思いとどまってしまう人もいるかと思います。
私も同じ考えでしたので、救急救命士の方に質問してみたところ、
法律的には悪意または重大な過失がなければ救命手当の実施者が被災者等から責任を問われることはありません。
とのことでしたので、結論「訴えられる事はまずない」と考えて良いと思います。
それでも不安という方は、当時の自治省消防庁救急救助課が出した「交通事故現場における市民による応急手当促進方策委員会報告書」に記載の「救命手当実施の法律関係」を確認してみると良いです。
普通救命講習の内容と流れ
成人を対象とした応急手当の重要性や事故の予防についての講義、心肺蘇生法、AEDの使用方法、異物除去法、止血法を学びますが、地方自治体や赤十字などでの講習等、そもそものやり方等が全く同じわけではなさそうでした。
その為、講習参加前には過去のこういった救命講習の参加経験があるかを事前に確認されまました。
また、主に講習では心肺蘇生法(心臓マッサージ、人工呼吸)、AEDの部分が中心で構成されておりましたので、この記事に関しても心肺蘇生法(心臓マッサージ)、AEDを中心に説明したいと思います。
※流れに関しては乳児・小児救命講習と同じでしたがこちらの講習はより成人に特化したイメージです。
余談ですが、参加者は介護職関係の方が多かった気がします。それと、介護職ではないけれども介護者が親族にいる高齢者の方が参加していました。それ以外にも一派の方含め40名程の参加人数でした。
心肺蘇生法について
心肺蘇生法とは、胸を強く圧迫する「胸骨(きょうこつ)圧迫」と、口から肺に息を吹き込む「人工呼吸」によって、止まってしまった心臓と呼吸の動きを助ける方法になります。
大きく6つの順番で進めていくので、それぞれ説明をしていきます。
※流れに関しては大人と同様ですが、やり方が乳児・小児では異なります。
周囲の安全確認
道路などの場合、車が来て二次災害にあってしまうなど、救助をする際は必ず周囲の安全を確認し、自らの安全が確保できてから救助者に近づきます。
その際、右手で「2」の数字を大きく描くように確認することで左右上下の安全確認をすることが出来るのでおすすめと教えてもらいました。
反応(意識)の確認
引用:京都市消防局
周囲の安全が確保できた後、救済者の反応(意識)を確認します。「大丈夫ですか?」と声を徐々に声を大きくしながら、大人の場合は両手で肩を叩いて反応(意識)の確認をします。
※乳児の場合は足の裏を叩いて刺激してみて反応(意識)があるか確認します。
119番と協力者への依頼
反応(意識)がなく、救助をすることになった場合のポイントとして、一人だけで対処するのではなく出来る限り多くの人の力を借りた方が良いとのことでした。
その際、具体的に誰に何をお願いするかを明確にすることで救命処置がスムーズにいきます。
イメージとして、
「そこのあなたは119番に電話してください」
「そこのあなたはAEDを持ってきてください」
のようなイメージです。
呼吸の確認
引用:春日・大野城・那珂川消防組合消防本部HP 救命処置の手順(心肺蘇生法とAEDの使用の手順)
協力者への依頼が済んだ後は、胸や腹部の上り下がりを見て「普段通りの呼吸」をしているか判断します。
やり方としては、1秒~6秒までを数えながら胸や腹部の上り下がりを観察し、呼吸の動きがみられない場合は「普段通りの呼吸なし」と呼吸が止まっているという判断をします。
胸骨圧迫(心臓マッサージ)
呼吸が止まっている場合はいよいよ心臓マッサージとなります。
※乳児とやり方が異なります。
圧迫の位置:乳頭と乳頭を結ぶ線の胸骨上
引用:京都市消防局
押し方:乳頭と乳頭を結ぶ線の胸骨上に手のひらの基部をあて、その上にもう一方の手を重ねて指を組みます。両肘を真っすぐ伸ばし,真上から垂直に胸が約5cm 沈み込む強さで圧迫します。
ポイントは胸が約5cm 沈み込む強さで圧迫するということで、約5cmは単三電池の長さをイメージすると良いそうです。
人工呼吸
胸骨圧迫(心臓マッサージ)を30回連続して行った後は片手を傷病者の額に当て,もう一方の手の人差指と中指で顎先を持ち上げ気道確保を実施して人工呼吸を2回行います。
その際の注意点は、片手で顎を持ち上げ、片手で額を押さえて気道確保するのですが、極端に頭を後屈させるとかえって空気の通りを塞ぐことになってしまうので注意しましょう。
なお、講習会時には1人1枚、人工呼吸用のマウスシートが配布されましたが、使用後に回収されてしまい、もし本当に人工呼吸する機会が訪れた時のために自分でも購入し、自宅に常備の他、カバンや車の中、両親などにも配ってあげた所、大変喜ばれました。
(知り合いに小さい子供がいる友達やスポーツをしている知り合いが多いので)
引用:京都市消防局
上記の胸骨圧迫(心臓マッサージ)30回、人工呼吸2回を救急隊員と交代するまでは基本的に連続して行いますが、途中でAEDが来た場合はAEDを使用します。
AEDについて
AEDとは心臓に電気ショックを行うための機械です。現在は公共機関や駅など、いろいろな場所にAEDが設置されているので、AEDがどこにあるか把握しておくとよいでしょう。
また、このAEDはいくつかの種類があって、成人用と小児用の2種類の電極パッドが入っているものや、成人用モードと小児用モードの切り替えがあるAEDもあります。
主なAEDメーカーの使用方法一覧はこちらです。
引用:京都市消防局
電極パッドを貼る位置は、電極パッドに表示されているのでその絵に従ってください。
そして電気ショックを行った後は、胸骨圧迫(心臓マッサージ)を再開します。
異物除去法について
胸部突き上げ法と背部叩打法があります。
この記事では心肺蘇生法(心臓マッサージ)、AEDを中心に紹介しているので異物除去法に関してはそれぞれ動画を参考にしてみてください。
▼胸部突き上げ法と背部叩打法の動画
止血法について
乳児・小児救命講習同様、実技練習はなかったのと動画での解説だったので参考動画を紹介します。
救急救命講習に参加して思ったこと
講習で習ったことやAEDの設置場所は講習を受けるというアナログだけではなく、デジタルでもあるのではないかと思い、講習後に調べたところ全然ありましたので紹介します。
(アプリは直ぐにダウンロードしました。)
▼成人に対する心肺蘇生法の動画
▼心臓マッサージのテンポで参考にするアプリ
救命サポートアプリ
※リンク先はApp StoreですがGoogle layにもあります。
▼AEDの使い方動画
▼AEDの設置場所を調べるアプリ
日本全国AEDマップ
※リンク先はApp StoreですがGoogle layにもあります。
救急救命講習のまとめ
後半でデジタルの救命講習を紹介しましたが、理想は実技を受けてからデジタルで救命講習を復習が良いと思います。
というのも、一緒に参加した奥さんも同様の意見だったのですが、参加者の8割は適切に対応できていませんでした…(これには本当驚きました)
老々介護という言葉があるように、そもそも流れやAEDの機械を理解できていないおじいさん。
日本語をあまり理解していないのでやり方がわからない介護職の外国人。
こうした方達でも講習に参加しただけでも違うと思いますが、本当に適切に対応できていた人は一握りでした。
いざ自分が救助を受ける立場になった時、とても申し訳ないのですがこうした方達に救命して貰うのは避けたいところです。
いつどんなとき、救命を受けるかはわかりませんが、家族や恋人等、一緒にいる時間が多い人がいる場合は一度講習に参加してみることをおすすめします。
※記事の内容は「救命講習」に関するリサーチを参考に管理人の見解を加えて編集したものであり、成果や効果を断言するものではありません