ピリオダイゼーションを学び、より効率の良いトレーニングをする方法!

アクティブリカバリーとは

ピリオダイゼーションは、日本語では「期分け」と言い、トレーニングプログラムを考える上で重要な理論になります。

一般的にトレーニングというものは、長期的に行っていくことが大事になります。

とはいえ、闇雲にトレーニングをすればいいというものでもありません。

長期的な計画を立て、自分自身のゴールに合わせた内容をおこなっていくことが大切なのです。

ピリオダイゼーションを用いるか用いないかで、トレーニングの成果にかなりの差が出ることは、研究でも示されています。

この記事では、そんなトレーニングをする上で重要なピリオダイゼーションを解説していきます。

ピリオダイゼーションとは

ピリオダイゼーションとは

ピリオダイゼーション(期分け)とは、時期によってトレーニング内容を変化させて、効率的にトレーニングを行っていくという考え方のことです。

一般の人にはあまり馴染みがない言葉かもしれませんが、プロスポーツ選手などのアスリートやそれらに従事するトレーナーにとっては、欠かせない理論です。

トレーニングする人がどのスポーツを行う選手で、どういう体質で、今身体がどういう状態で、というようにひとりひとり必要なトレーニングプログラムは異なります。

個人に合わせたトレーニングプログラムを組んでいくことが、効率面でも安全面でも重要になります。

どうしてトレーニング内容に変化をつけるの?

トレーニングに変化をつける理由
同じトレーニングをずっと行うことで、たしかにそのトレーニングによって鍛えられる部分は成長していきます。

しかし、変化をつけずにずっと行っていると、同じ部分に負荷がかかり続けることによる疲労の蓄積やオーバートレーニング、刺激への慣れによって向上率が徐々に低下してしまうなどの問題が発生してしまうのです。

せっかく1年かけて準備してきたのに、試合直前に故障を起こしてしまっては元も子もありませんよね。

それらを防ぐためにピリオダイゼーションが大事になってくるといわれています。

ピリオダイゼーションの効果

ピリオダイゼーションの効果
では、ピリオダイゼーションにはどれほどの効果があるのでしょうか。

Williamsら[1]は、ピリオダイゼーションを用いた場合と用いなかった場合によって、トレーニングによる筋力向上にどの程度差が生まれるのかを、メタ分析(複数の研究結果をまとめて更に分析する分析方法)を用いて研究を行い、検証した結果を述べています。

被験者数612人に対して18の研究を行い、ピリオダイゼーションを用いたトレーニングはES=0.43の効果があることが研究データから得られました。

(※ESとは効果量といって、統計学において用いられる指標のひとつです。値の絶対値が大きいほど効果も大きいといえます。)

このES=0.43という数値の効果は、ベンチプレスの11.4 kgに相当する違いが生まれるとも述べられています。

研究の実施期間は12.3±7.6 週間となっているので、1か月から5か月程度でこれだけの差が生まれていると考えると、いかにピリオダイゼーションの効果が大きいかがわかるかと思います。

[1]Williams, T.D. et al. Comparison of Periodized and Non-Periodized Resistance Training on Maximal Strength: A Meta-Analysis. Sports Med 47, 2083–2100 (2017).

▼要約
ピリオダイゼーションを意識してトレーニングするかしないかで、約1か月から5か月の期間でベンチプレス11.4 kg相当の成果に差が出ました。

ピリオダイゼーションの構成

ピリオダイゼーションを意識してトレーニングする女性
ピリオダイゼーションは大きく分けて3つの要素から構成されています。

  • ミクロサイクル…週単位でのスケジューリング
  • メゾサイクル…複数のミクロサイクルから構成される、数週間~数か月のスケジューリング
  • マクロサイクル…複数のメゾサイクルから構成される半年~数年のスケジューリング

また、ミクロサイクルやメゾサイクルの中においてあまり変化をつけずに、マクロサイクルでの変化によるものを線形ピリオダイゼーションと呼び、ミクロサイクルやメゾサイクルの中でも変化をつけていくものを非線形ピリオダイゼーションと呼びます。

よく例にあげられるのは、試合に向けてトレーニングを行いつつ、試合当日に向けて疲労除去を考慮したピリオダイゼーションです。

トレーニングにおいては基本的に、負荷が大きい(つまり回数が少ない)もののほうが、負荷が小さい(回数が多い)ものよりも疲労は溜まりにくいです。

したがって、試合当日に向けて、負荷は徐々に高めながら回数は減らす、というピリオダイゼーションがよく用いられているのです。

こうしたピリオダイゼーションによって、トレーニング期間においても、試合当日においても、よりよいパフォーマンスがうまれるのです。

ピリオダイゼーションのまとめ

ピリオダイゼーション
ピリオダイゼーションとは、トレーニング内容に変化をつけてより効率よくトレーニングを行うための考え方です。

ピリオダイゼーションを用いたトレーニングは、用いていないものに比べて効果が高いということが研究から示されています。

トレーニングを行う際は、ピリオダイゼーションを念頭にいれてプログラムを組むことをお勧めします。

※記事の内容は「ピリオダイゼーション」に関するリサーチを参考にライターの見解を加えて編集したものであり、成果や効果を断言するものではありません。