パワーナップとは三菱地所やNIKE、P&Gなど名だたる企業も導入し、実践している効果のある睡眠法です。
15~30分未満の短い睡眠を取ることで、仕事だけでなく生活の質をも高めてくれます。
当記事では、坪田聡さんの「パワーナップ仮眠法」をもとに文献記事の紹介やオフィス、車内でも使用できるアプリ、グッズを解説していきます。
パワーナップ(power-nap)とは何なのか?
始めに、パワーナップとはどんな事をするのでしょうか。
パワーナップ【power-nap】とは、米 コーネル大学の社会心理学者ジェームス・マースにより作られた言葉となります。
15~30未満の短い時間での睡眠となりますが、特に昼寝を示すことが多いようです。
エクセレントカンパニーと呼ばれるグーグル、アップル、マイクロソフトなどの世界的IT企業やNASA、米国海兵隊などの組織まで推奨され、実際に行われている方法です。
ではパワーナップをするのにはどのようなコツがあるのでしょうか。
パワーナップのコツ
パワーナップが成功するためには3つの守るべきルールが存在します。
- 正午から午後3時までに行う
- 眠る時間は15〜20分
- カフェインを用意する
正午から午後3時までに行う
会社員として働いている方は特にランチ後をお勧めします。
ランチ後は血糖値も上がり、血糖値が上がることで眠気を引き起こすとされている為、昼食後にウトウトした経験がある方も多いでしょう。
逆に、夕方以降に仮眠を取ると、夜になかなか眠れなくなるなど影響を及ぼします。
どうしても夕方に眠たくなった際は、10分未満に留めておくとよいでしょう。
眠る時間は15~20分
仮に時間をオーバーしたとしても25分までに留めてください。
30分を超えてしまうとどうなるのでしょうか?
一般的に30分以上の睡眠を取る場合、2つの注意が必要です。
- 30分以上昼寝をとると「睡眠慣性」が起きる
- 30分以上昼寝を取ると「認知症のリスクがあがる」
と参考文献に書かれています。
▼30分以上昼寝をとると「睡眠慣性」が起きる
睡眠慣性とは、深い睡眠状態に入ってしまい起きたあとにぼーっとしてしまう状態のことです。
睡眠慣性を起こさないためには昼間の15~30分(特に20分程度)が良いとされています。
参照:NIKKEI STYLE
▼30分以上昼寝をとると「認知症のリスクが上がる」
米 カリフォルニア大学 Yue Leng氏らは、2018年に第32回米国睡眠学会で高齢男性の昼寝時間と認知症リスクの関連が大規模試験で明らかになった事を発表しました。
内容としては、昼寝30分未満のグループと比較し30分以上の各時間ごとに区切り、昼寝をとったグループの方が昼寝時間の長さに比例して認知症の発症リスクが高まるという結果でした。
女性、若者では調べていないため全ての年齢層が当てはまるとは限りませんが、健康を維持するためにもパワーナップの必要性を感じていただける事でしょう。
参照:ヨミドクター
カフェインを用意する
コーヒーを飲むことが一番やりやすい方法となります。
カフェインをとることで仮眠から覚醒する度合いが大きく変わり、短時間での脳の休息効果を高めるためには効果的と言われています。
コーヒーが苦手な方は、紅茶や緑茶を取ることで補うことがオススメです。
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パワーナップがもたらす効果
パワーナップがもたらす効果とはどのようなものなのでしょうか?
以下の10点が主に挙げられます。
- 仕事の作業効率が向上し、仕事が捗る
- 脳が活性化し、クリエイティビティがあがる
- 脳がすっきりし、脳の疲労が回復する
- 昼間の眠気が解消される
- 健康的な生活が送れるようになる
- 記憶力、注意力が上がる
- ストレスを軽減する
- 集中力低下を防げる
- 夜の睡眠の質が上がる
- 判断力、決断力がつく
NASAでは、昼に26分間の仮眠をとってもらったところ、認知能力が34%、注意力が54%向上したことや、日本でも福岡県にある明善高校で導入されており、生徒からはやる気・集中力の向上、成績があがったと効果が現れているようです。
エクセレントカンパニーでも昼寝ができるスペース(Siesta(シエスタ)スペース)を設けたり、快眠マシンを作ったり、積極活用する事で脳を活性化し、クリエイティビティを高め仕事の効率を向上させます。
※Siesta(シエスタ)はスペイン語で昼寝を意味します。
パワーナップ仮眠法をおこなうためのツール
最近では、別途で寝るだけではなく、仮眠をとる際に便利なグッズも多くなっています。
ここでは、そうした便利なグッズと身近にあるツールを使って快眠をサポートする方法をお伝えします。
Purefly ネックピロー U型
アマゾンでベストセラー1位になっている商品です(2020年7月現在)。
パワーナップの基本姿勢は「座って寝る」ことです。
場所はオフィス、車の中、漫画喫茶など落ち着いて過ごせる個人的な空間で寝ることを想定しています。
ネックピローも形、素材によって利用シーンが違うかと思いますが、座って寝ることを優先的に考えてPurefly ネックピローをお勧めしたいと思います。
手動式のポンプで膨らみ、首にあたる素材も柔らかい布が使われています。
カバーも丸洗いできるのでどこにでも使えるツールとなっています。
Augwindy フットレスト(ハンモック式)
座ったまま寝ることに慣れていない方はフットレストを使用してみるのも良いかもしれません。
デスクワーク時の仕事をしている間も使用でき、おやすみの際に紐の長さを調節することでまるでリクライニングシートに座っているような状態にすることが可能です。
ただし、リクライニングできる椅子を使用しないと腰を痛めてしまう場合がありますのでご注意ください。
アラーム
スマートフォンが今は身近にある方も多いかと思います。
スマートフォンの機能であるアラームを使用して効率的に目を覚ましていきましょう。
パワーナップ仮眠法 著:坪田聡
最後に今回紹介した記事の参考文献である坪田聡さんの「パワーナップ仮眠法」を紹介します。
坪田さんは睡眠の質を高める指導や普及を行う傍ら、自身でもクリニックを経営される医師であるという2足のわらじを履く方となります。
書籍「パワーナップ仮眠法」は1時間あればざっと眺めることができるライトな本となっておりますので隙間時間に読み、すぐに実践できる内容となっております。
パワーナップのまとめ
パワーナップ仮眠法を用いると、睡眠の質だけでなく人生の質をもあげることができそうです。
実際私も営業活動中におこなってみました(会社には秘密です)
15分ほど寝た結果、すっきりと目覚め、頭の中も冴えて営業活動に打ち込めた経験があります。
しかし、30分ほど寝た時はまどろむ感覚が残っており、その日の活動は散々なものとなってしまいました。
現在の職種や日々の生活スタイルにもよると考えますが、1日24時間ある中で「15分」自分のために時間を当てることも良いのではないでしょうか?
睡眠に関する記述については、他の記事もあるので参考にしてみてください。
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